SAPIX国際教育センターでは、日本での中学・高校・大学受験をお考えの生徒と保護者の方を対象に、「2023前期 帰国入試進学セミナー」を5月中旬から6月中旬にかけて開催中です。海外5会場(デュッセルドルフ、ブリュッセル、ロンドン、ニューヨーク、ジャカルタ)とオンラインで実施する本セミナーについて、講演内容をダイジェストでお伝えします。
2023年の帰国入試の概況と夏休みの学習法
帰国生の人数はコロナ禍で減少も油断せず対策を
文部科学省の「学校基本調査」のデータによると、1年以上海外にいてその年に帰国した中3生の人数は、新型コロナウイルス感染症の影響で2021年より急激に減少しており、2022年以降はより大幅に減少しているものと思われます。
コロナ禍で各国の出入国制限やビザ発給が厳しくなり、新規に赴任予定の駐在員の渡航が制限されたことから、現在の在留邦人数はかなり減少したのではないかと思われます。結果として、各校が帰国生入試の出願資格として定める条件を満たす生徒も今後現象していくことが考えられます。
主要校の2020年~2023年の帰国生入試の志願者数の推移を見ると、慶應の附属校4校、早稲田の附属・系属3校は全て現象。特に早大本庄学院では、2023年は2020年に比べて100名以上減少しました。その他、青山学院やICUをはじめとする人気校も、この数年間で同様に志願者数を減らしました。
しかしながら、特に人気校や難関校においては、志願者数が減ったからといって簡単に合格できるようになったわけではありません。受験者数の減少に伴い合格者数が絞られれば、倍率は依然として高い水準のままですし、そもそも合格基準点に達しなければ倍率が下がったとしても合格できません。
2024年以降の帰国生入試に向けては、まずは早めに第一志望を決めて努力目標を定め、受験プランを組み立てることが重要です。
次に、志望校の募集要項や志願者数・合格者数などの受験データを確認し、これらを指標としながら受験の戦略を立てましょう。また、現地でしかできない経験を積みつつ、一般入試でも通用するレベルの3教科の土台を築きましょう。
海外生・帰国生の学年/教科別 夏休みの学習法
中1・2生
夏休み中は学校の宿題以外に1日3~5時間学習するのがお勧めです。帰国生入試の多くは3教科ですが、国語・英語の題材として理社のテーマが取り上げられることもあるため、理科・社会にも触れておくと良いでしょう。中3での実戦演習に備えて、今のうちに各教科の基礎を確実に習得することも重要です。
中3生
夏期講習を含め、1日10時間学習しましょう。まとまった時間を取れる夏休みは、これまでの学習内容の復習や苦手分野の克服、模試の解き直しなどができるチャンスです。理科・社会の学習にも取り組んで、時間を有効に使いましょう。
次に、海外生・帰国生が苦手とする数学と国語の学習法について。数学では、模試の解き直しや復習を通して弱点をなくし、特に関数と相似は確実にマスターしましょう。現地校やインター校では計算機を使うこともありますが、入試では使えません。普段から手計算をする習慣を付けることも大事です。
国語では、知識事項をしっかり覚えることはもちろん、読解における「型」を身に付け、どんなタイプの文章でもバランス良く得点できるようにしておくことが重要です。古文・漢文が出題されない学校もありますが、最低限の基礎(有名な作品の著者やあらすじ、単語など)は押さえておきましょう。
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2023前期 帰国入試進学セミナー
海外生・帰国生小学生・中学生
5月・6月
最新の入試情報や帰国生ならではの受験対策、夏の過ごし方などについて解説。
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