「2022前期 帰国入試進学セミナー」実施レポート
SAPIX国際教育センターでは、日本での中学・高校受験をお考えの生徒・保護者の方を対象に、「2022前期 帰国入試進学セミナー」をオンラインで開催しました(5月8日(日)高校受験、5月22日(日)中学受験)。ここでは高校受験の講演内容のうち、2022年の帰国入試の概要と夏の学習法についてご紹介します。
2022年 首都圏・関西圏入試トピック
2022年の首都圏入試で募集要項に変更があった学校の中から、3校をピックアップして見ていきます。
まず早実高が募集人員を大幅に減らしました。帰国枠は昨年まで「10名以内」でしたが、今年は「男女合わせて若干名」となり、受験者数が昨年比18%減となりました。一方、同日に試験を実施する慶應義塾高や慶應女子高の受験者数が増加しました。早実高を回避した層が両校に流れたとみられます。
また、豊島岡女子高が高校募集を停止しました。昨年は2月11日に受験したSAPIXの女子帰国生の7割が豊島岡女子高を受験していましたが、今年は法政二高4割、桐蔭学園高・中央大高・明大中野八王子高がそれぞれ2割と分散しました。
最後に慶應湘南藤沢高について。帰国生入試の募集人員が約30名→約20名と削減され、選考方法が英語・数学・国語・面接から数学・国語・面接に変更。また、数学と国語の試験時間が60分から45分に短縮され、国語は課題型小論文になりました。出願資格は「TOEFL® iBT 70点以上、または IELTS 5.5以上、または英検®準1級以上を取得している者」が追加されました。受験者は194名→158名と減少しました。
関西圏では、今年も関関同立の附属・継続(系属)校に帰国生の人気が集中。一方で、大学受験を視野に入れている受験生は、公立校や西大和学園高などを受験しました。大阪・京都・兵庫の私立校の多くが2月10日・11日に入試を行うため、例年は奈良や岡山など他県の私立校を併願するケースが多くありましたが、コロナ禍の影響によりここ数年は遠方での受験を避ける動きが出ています。
SAPIX帰国生の受験状況と合格のための対策
今年SAPIXを卒業した帰国生の平均出願校数は、男子7・7校、女子5・4校でした。また、慶應湘南藤沢高の出願資格に英検®準1級が加えられた影響からか、英検®準1級の取得率が大きく上昇しました。帰国生同士であっても、英語で大きな差がつくことがあるので、現地校やインター校で英語に慣れている人も油断せず、受験に向けた英語学習をしましょう。帰国生は英語で高得点を取り、他の科目で平均レベルの得点ができれば、早慶高などの合格が視野に入ります。
夏の学習法と海外滞在中の受験準備
海外滞在中は以下の4点を意識して過ごしましょう。
まず一つ目は、滞在地でしかできない経験を積むこと。アクティビティや現地の人との交流などに積極的に取り組みましょう。二つ目は、いつ帰国することになってもよいように準備することです。急きょ日本で受験することになった場合にも対応できるように備えておくと安心です。三つ目は、定期的に模試を受験し、学力を把握すること。結果を振り返り、今後の学習の筋道を立てましょう。四つ目は、英語力の向上を図ることです。近年は国内生であっても英検®2級レベルの生徒が増えています。帰国生は英検®準1級レベルを目指しましょう。
夏休み中、中1・2生は学校の宿題以外に1日3~5時間、中3生は1日10時間以上の学習を。中3生は復習と弱点の克服に取り組みましょう。どの学年も、理社の学習に取り組んでおくこと。3科目受験であっても国語や英語で理科・社会の知識が必要な問題が出されるので、教科書レベルの学習をしましょう。
最近は、オンライン説明会を実施する学校が増え、海外にいながら情報を得ることが容易になったので、積極的に参加すると良いでしょう。また、海外生・帰国生入試は実施日程が早いので、第一志望校を早く決め、受験プランが決まったら必要書類をリストアップし、会社や学校に早めにオファーをしましょう。
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