英語の学習法
特に英語圏の現地校やインターナショナルスクールに通っている場合、英語の学習はどうしても後回しにしてしまいがちです。
たしかに、普段から英語で学校生活を送っていると、英語でのコミュニケーションについては十分な力が備わっていることが多いですが、会話力が高いこととペーパーテストの得点力が高いことは必ずしもイコールではありません。
多くの帰国生が得意とする英語を確実に得点源にするためには、受験する学校の入試問題のレベルを把握し、計画的に対策をしていく必要があります。
語彙力の強化
英語の語彙量を増やすと、結果的に読解スピードを上げることができ、効率的に問題を解きすすめることが可能になります。日頃読むような文章から自然に語彙を増やしていければ理想的ですが、入試までの限られた期間で必要な語彙量に達しようとすると、それだけでは不十分です。新聞やニュースで知らない単語を目にしたときに調べたり、すでに知っている単語の類義語・対義語などを辞書を使って学習したりと、プラスアルファで学んでいく必要があるでしょう。
高校の入試問題で演習
英語の入試問題は過去問題集のような形で出版されていないため、他の科目ほど手軽に演習ができません。入試問題のレベルのめやすとしては、高校の入試問題レベルを想定して、代替的に対策をしていくとよいでしょう。特に、帰国生が苦手とする文法については、日本の高校1年生レベルが必須だと考えましょう。そもそも文法に関する知識があまりない場合には、むやみに演習を重ねるよりも、一度基本に立ち返って教科書レベルの学習をしたりするなどして、知識として理解しなおすことも必要です。
日英両方の記述対策
出願時のエッセイから入試科目としての作文まで、帰国生入試では記述力を要求される機会がとても多いといえます。こうした記述問題では、採点時に主に以下のような要素がチェックされます。
- 内容
設問で聞かれていること、問われていることに対して、適切に回答していること - 論理性
その回答を、論理的に分かりやすく記述すること - 正確性
正しい文法で誤字脱字なく、伝えたい内容を的確に表現できていること
どんなに高い英語力を持っていても、これらのポイントをまんべんなくおさえたエッセイをいきなり書くことは、なかなかできません。また、実力がある場合でも、出題されるテーマによってはどうしても得意・不得意が出てきたりします。
完成度の高いエッセイを安定的に書くためには、国語の読解問題や日本語作文に取り組むときと同様に、さまざまなタイプの問題を反復演習していく必要があるといえるでしょう。書く練習をくりかえし重ねることで、論理的な文の構成や自分に合った文章の書き方などもつかめるようになります。
記述の学習では、もう一つ大切なことがあります。書いた答案を、必ず大人がチェックするということです。
書いた本人には、なかなか自分の文章の欠点は分かりません。大人が客観的な指摘をすることで、はじめて記述力が向上していきます。答案を親子で見直しながら、着実に実力をつけていけるようにしていきましょう。