算数の学習法
算数は、他の科目と比べれば実は海外でも比較的学習しやすい教科だといえます。
問題集や参考書も、学習進度に合わせて多種多様なものが出版されていますし、問題を解いて答え合わせをするという一連の学習の流れも作りやすく、取り組みやすい面があるといえるでしょう。
しかし一方で、解ける・解けないが明確に区別されてしまうため、点差が開きやすい教科でもあります。安定した成績を残せるようになるためには、丁寧な学習計画を立てていくことがポイントです。
①低学年の間は器を広げる
低学年(1~3年)のうちに算数への強い苦手意識が芽生えてしまうと、なかなか払拭できません。入試に直結した算数力を養うというよりも、多彩な問題に触れて柔軟な思考力を育て、算数が解ける楽しさを味わうことを主眼とするとよいでしょう。
たとえばパズルのような問題集を取り入れつつ、時には少し難しい問題に取り組んでみることで、楽しくステップアップしていくことができれば理想的です。
②計算力を最重要視する
ほとんどの算数の入試問題は、最終的には計算によって答えが導かれます。どんなに優れた思考過程で問題を解き進めていても、この計算ができていないと正解にはならないのです。不正解だった時に、「計算ミスしただけ」と理由づけてしまう子供もいますが、「ミスがなければ正解だった、だから正解と同じ」と考えてしまうのは、実はとても危険です。計算ミスはたった一回の気の緩み、油断などではなく、意識して気をつけないとなかなか修正できないものだからです。
精確な計算力は地道なトレーニングでしか身に付きませんので、たとえば毎朝5分間計算ドリルを解く、といった習慣を付けて取り組むようにしましょう。
③リビングで学習する
算数にかぎった話ではありませんが、小学生が一人で子供部屋という「密室」で集中して学習するのはとても難しいものです。特に算数は、決められた時間内に解ききるスピードも重要な科目です。大人が時間管理できる環境で学習するのが理想的だといえます。
④「まぐれ当たり」かどうか判断する
本番の入試とは異なり、家庭学習の目的は、「その問題を解く過程で、解ける力を身につける」ことにあります。問題演習形式の学習が主体となる算数では、どうしても「やった!合ってた!」と丸つけすること一喜一憂しがちです。しかし、「まぐれ当たり」をいくら積み重ねても、問題を解く力が備わるはずもありません。きちんと理解したうえでの正解なのかどうかを判断することが重要です。
⑤教えすぎない
子供が問題に取り組んでいる様子を横から見ていると、どうしてももどかしくなってしまうものです。ついつい、手出し・口出しをしたくなってしまいますが、もちろんNGです。口出しは少しのヒントをアドバイスするだけにとどめ、子供が自分で気づくまで辛抱強く付き合わなくてはなりません。また、少し難しそうな問題を前にすると、「わかんない!」とさじを投げて、最初から教えてもらおうとする子供もいます。こうした場合には、どこが分からないのかを理解できるまで、考えさせる必要があります。
もし考えても考えても一歩も前へ進めないとしたら、その問題は、今はまだ本人のレベルに合っていないということです。基本問題に立ち返って、分からないことを一から学習すべきでしょう。
»次回は、理科の学習法①を掲載いたします。