教材の選び方①
現地の塾に通う場合であれば、日本の学習塾などが作成した教材に沿って学習するのが最適だと言えますが、ここでは、一般の書店で入手できる教材で家庭学習を組み立てる場合について考えてみます。
ネットで調べると、それこそ山のような参考書が売られていて、いったいどれを使ったら良いのか悩んでしまいますね。
書店で手に取って中を見たとしても、レイアウトや色使い等はチェックできたとしても、それが本当にわが子に適した参考書なのか判断するのは難しいと思います。
参考書は、まずは大きく3種類に分類できます。
①思考力系の学力向上を目指したもの
②小学校の教科書をベースに作られたもの
③中学校の入試問題をベースに作られたもの
上記①の種類の参考書は、最近書店でもよく目にします。
興味深い内容のものがよく出版されていますが、算数のカリスマ先生が国語の参考書を執筆したり、計算トレーニングで有名になった先生が文章読解の問題集を作ったりと、ややちぐはぐな印象のものもいくつかあるのが現状です。
個性的で面白い本が多いジャンルですが、学習のメインというよりは、息抜き的な教材と考えた方がよいでしょう。
②の参考書は、学校の教科書だけでは不足する生徒のために、学習の動機づけを目的としたものが多くみられます。
漫画やイラストを多用しているこれらの参考書は、あくまでも小学校の授業のフォローの役割ですので、レベル的には決して高くはなく、中学受験の学習にはあまり適していません。
ただし低学年のお子さんが、学習に興味を持つきっかけとしての役割は果たしてくれます。例えば漢字の成り立ち辞典のような書籍は、暗記だけではつまらない感じの学習を、成り立ちを知る事で興味深く取り組めるようにと作られています。
中学受験のためにまず用意したいのは、上記③の種類、つまり中学入試問題をベースに作られた参考書ということになります。
さてこの受験参考書についてもプロの目から見れば様々な評価があるのですが、乱暴な言い方をしてしまうと、どれを選んだとしても大差はありません。敢えて言えば、あまりに薄いものよりはある程度の厚さがあるもので、奇をてらった印象のものよりは、オーソドックスな印象を与えるものがよいかもしれません。
算数・国語の参考書であれば、解説に目を向けてみましょう。自分ひとりでは解決できない問題を理解するために参考書があるわけですので、解答・解説の丁寧さは重要です。
理科・社会の参考書であれば、図版の豊富さやデータの新しさに目を向けてみましょう。とくに社会科の地理データは年々変化していますので、作られてからあまりに年月が経っている参考書よりは、頻繁に改訂されているもののほうが良いといえます。